3年もの年月をかけて栽培する季節の花シャクヤク
【津南町で栽培されるシャクヤク】

新潟県津南町は花きの産地としても有名な地域です。
栽培された花きの多くは「雪美人」というブランド名で市場に出荷されています。
シャクヤクは5月から6月にかけて咲く、季節を象徴する花です。
初夏の花として旅館や飲食店で飾られたり、切り花やブーケなどに使用されるなど人気があります。
ボリューム満点の花がとても印象的な「津南のシャクヤク」を紹介します。
【栽培について】

シャクヤクは切り花の品質を確保するため、出荷するまでに3年もの年月をかけて栽培しています。
栽培は1年目の秋に、花の株を定植するところから始まります。
翌年(2年目)は、株を養成するために5月から6月ころに出てくるつぼみを摘み取ります。また追肥したり、枯れた茎葉を刈り取るなど管理を続けます。

こうして3年目から収穫が可能になります。
収穫は横芽を摘み取ってからおよそ10日ほどを目安に、つぼみの状態を見定めて茎を地際から切り取ります。


シャクヤクの収穫適期はとても限られており、品種によっても異なります。
「かぐや姫」という品種の収穫のタイミングは、つぼみが大きく膨らみ花びらが開きかける直前です。
実際に花びらが開いてしまうと遅いため、一本一本丁寧にタイミングを確認します。
その後規格ごとに茎の長さを揃えて選別し出荷します。
【産地について】

津南は昼夜の温度差が大きい地域です。
特に夜の気温が低い気候のため、花色が鮮やかになりやすい等、花きの生産に適した気候条件を有しています。
このためシャクヤクをはじめとする花きの産地として発展してきました。
津南産の切り花は関東方面を中心に出荷され、花屋さんの店頭に並びます。
【普及のきっかけ】

シャクヤクは水稲と作業競合が少ない品目のため普及しました。
さらに津南特有の河岸段丘地形の標高差を利用することで、同じ品種でも長期間出荷できることも普及した特徴の一つです。
しかし、近年は気温が上がってしまい収穫の時期が早まり、出荷が集中してしまうことも多いため品種選定や横芽を摘まないスプレー咲きも組み合わせるなど、生産者の皆さんは工夫を続けています。
これ以外にも、より高品質な切り花を出荷できるよう、津南町切花組合では切り花を手がける生産者さんが集まって目合わせ会などを行っています。
組合員は令和7年で50名ほど。年間180万本の生産を目指します。
津南のシャクヤクは2021年に日本一の花き市場である大田市場(東京都)が選ぶ
「フラワー・オブ・ザ・イヤー OTA」で最優秀賞に選ばれたことがあります。
こうした生産者の試行錯誤の取り組みが、気候変動に左右されない高品質な切り花の生産を実現し、
市場や実需者との信頼関係の構築につながっています。
津南の地で3年もの年月をかけて栽培されたシャクヤク。
花のボリュームや花色の鮮やかさは「雪美人」の名のとおり風格のある草姿です。
ぜひ手に取ってみてはいかがでしょうか。
取材協力
魚沼農業協同組合 津南基幹営農センター
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