○津南町犯罪被害者等支援条例

令和7年3月4日

条例第4号

(目的)

第1条 この条例は、犯罪被害者等基本法(平成16年法律第161号)に基づき、本町における犯罪被害者等の支援に関し、基本理念を定め、町、町民等及び事業者の責務を明らかにするとともに、犯罪被害者等の支援のための施策の基本となる事項を定めることにより、犯罪被害者等が必要とする施策を総合的に推進し、もって犯罪被害者等の被害の早期回復及び軽減を図るとともに、犯罪被害者等を支える地域社会の形成を図り、安全で安心して暮らすことができる地域社会の実現に寄与することを目的とする。

(定義)

第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。

(1) 犯罪等 犯罪及びこれに準ずる心身に有害な影響を及ぼす行為をいう。

(2) 犯罪被害者等 犯罪等により被害を受けた者及びその家族又は遺族をいう。

(3) 町民等 町内に住所を有し、勤務し、若しくは在学する者又は町内で活動を行う団体をいう。

(4) 事業者 町内において犯罪被害者等を雇用する者その他町内で事業活動を行う団体をいう。

(5) 関係機関等 国、県、警察その他の行政機関、犯罪被害者等の支援を行う民間の団体及びその他犯罪被害者等の支援に関係する団体をいう。

(6) 二次被害 犯罪等により直接的な被害を受けた後に、周囲の偏見、無理解による心ない言動、インターネットを通じた誹謗中傷、報道機関による過剰な取材等により、犯罪被害者等が受ける精神的な苦痛、心身の不調、名誉の毀損、日常生活の侵害、プライバシーの侵害、経済的な損失等の被害をいう。

(7) 再被害 犯罪被害者等が、その被害を受けた犯罪等の加害者から再び受ける犯罪等による被害をいう。

(基本理念)

第3条 全ての犯罪被害者等は、個人としての尊厳が尊重され、その尊厳にふさわしい処遇を受ける権利を有する。

2 犯罪被害者等の支援は、犯罪被害者等の個人としての尊厳が重んぜられるように配慮し、プライバシー及び名誉の保護に努めるとともに個人情報を適切に取り扱わなければならない。

3 犯罪被害者等の支援は、犯罪被害者等が犯罪等により受けた被害、二次被害又は再被害の状況及び原因並びに犯罪被害者等が置かれている状況その他の事情に応じ、迅速かつ適切に行われなければならない。

4 犯罪被害者等のための支援は、犯罪被害者等が安心して暮らすことができるようになるために必要な支援を、途切れることなく提供されることを旨として推進されなければならない。

(町の責務)

第4条 町は、前条の基本理念(以下「基本理念」という。)にのっとり、犯罪被害者等の支援に関する各種施策を総合的に推進するものとする。

2 町は、前項の施策を実施するに当たっては、関係機関等と相互に連携を図るものとする。

(町民等の責務)

第5条 町民等は、基本理念にのっとり、犯罪被害者等が置かれている状況及び犯罪被害者等の支援の必要性について理解を深め、犯罪被害者等を地域社会で孤立させないよう努め、二次被害が生じることがないよう十分に配慮するとともに、町が実施する犯罪被害者等の支援に関する施策に協力するよう努めなければならない。

(事業者の責務)

第6条 事業者は、基本理念にのっとり、犯罪被害者等が置かれている状況及び犯罪被害者等の支援の必要性について理解を深め、その事業活動を行うに当たっては、二次被害が生じることのないよう十分に配慮するとともに、町が実施する犯罪被害者等の支援に関する施策に協力するよう努めなければならない。

2 事業者は、基本理念にのっとり、犯罪被害者等の就労その他犯罪等による被害に関し、事業者に求められる手続等について十分に配慮するよう努めなければならない。

(相談及び情報の提供等)

第7条 町は、犯罪被害者等が安心して日常生活及び社会生活を円滑に営むことができるようにするために、二次被害及び再被害を含め犯罪被害者等が直面するさまざまな問題についての相談に応じ、必要な情報提供、助言及び関係機関等との連絡調整を行うものとする。

(見舞金の支給)

第8条 町は、犯罪被害者等に対し見舞金の支給を行うものとする。

(日常生活の支援)

第9条 町は、犯罪被害者等が再び平穏な日常生活を営むことができるようにするため、犯罪被害者等が置かれている状況に応じ、福祉サービスの提供その他の必要な支援を行うものとする。

(安全の確保)

第10条 町は、犯罪被害者等が二次被害及び再被害を受けることを防止し、その安全の確保を図るため、犯罪被害者等に係る個人情報の取扱いへの配慮その他の必要な支援を行うものとする。

(居住の安定)

第11条 町は、犯罪等又は二次被害により従前の住居に居住することが困難となった犯罪被害者等の居住の安定を図るため、一時的な利用に供する町営住宅の提供その他の必要な支援を行うものとする。

(雇用の安定)

第12条 町は、犯罪被害者等の雇用の安定を図るため、犯罪被害者等が置かれている状況について理解を深めるための啓発活動に努めるものとする。

(町民等及び事業者の理解の促進)

第13条 町は、関係機関等と連携、協力し、犯罪被害者等が置かれている状況、犯罪被害者等の平穏な生活への配慮の重要性及び犯罪被害者等の支援の必要性について、町民等及び事業者の理解を深めるため啓発活動に努めるものとする。

(支援の制限)

第14条 町は、犯罪被害者等が犯罪等を誘発したときその他犯罪被害者等の支援を行うことが社会通念上適切でないと認められるときは、犯罪被害者等の支援を行わないことができる。

(委任)

第15条 この条例に定めるもののほか、この条例の施行に関し必要な事項は、町長が別に定める。

この条例は、令和7年4月1日から施行する。

津南町犯罪被害者等支援条例

令和7年3月4日 条例第4号

(令和7年4月1日施行)